2005-03-10

なかなか修羅場が終わりません

  • 書きたいネタがたまってしょうがないです。
  • あと、アナザーコード一周しました。プレイ時間5時間ちょっと。発売日に届いたのになー。なんか中途半端な終わり方だったので、とりあえずもう一周することにします。
  • 解けてない謎があってフラストレーションですけど、攻略は見ない方針です。

政治的フラッシュをエンタメとして観る

最近、人権擁護法について啓蒙する内容のフラッシュがいくつか公開されているようです。以下にいくつか挙げます(Ref. II-Access(イイ・アクセス) – あなたの好奇心を誘う魅惑のコンテンツをご紹介, http://hw001.gate01.com/karzu/)。

これらのフラッシュは、問題点を端的に示しているという点では非常に良くできていると思いますけども、もうちょっとどうにかならないのかとも思います。

というのは立場がちょっと偏りすぎな気がするんですね。

例えば、人権擁護法案について(デスノート風)FLASH版人権擁護法についてわかりやすい解説という触れ込みで流布しているようですけど、これは「人権擁護法について分かる」というよりは、「人権擁護法に反対する立場について分かる」といった方が適切な内容になっています。「反対する人たちは何故反対しているのか?」についての疑問は解消されますが、人権擁護法そのものについての説明にはなっていません。

どれも基本的に「絶対反対!」の立場で作られていて、そういうのばっかり観てると「考え方のバランス」を取りたくなってくるわけです。この法案に賛成……は難しいとしても、もうちょっと中庸な立場のフラッシュはないものなのかと思ってしまいます。

「だったらおまえが作れ」という声が聞こえてきそうですが、政治的なアピールのフラッシュって面白くならないんですよねー。なかなかいいプロットが浮かばないです(『サルでも描けるまんが教室』のパクリで一つ思いつきましたけど、メタな面白さになってしまうのでボツにしました)。

シネマ野さんの作品も、訴求力という点では非常に力強いながらも、フラッシュ作品としてみるとあの「フルメタル恋心」(名作)の作者と同一人物の手によるものとはとても思えない作りになってしまっているわけで、これはエンターテインメント性をもったプロパガンダフラッシュを作るのが如何に難しいかということを示していると思います。

エンタメなんぞ求めなくてもいいのかも知れませんけど、そうじゃなかったら別にフラッシュで作らなくても普通に文章にすればいいわけです。エンターテインメント性があるからいろんなところで紹介してもらえるわけで、啓蒙フラッシュとしての意義が「如何に多くの人に知ってもらうか」の一点にある以上、この手のフラッシュにエンターテインメント性は必須の要素です。

いわゆる朝銀フラッシュは、政治的な啓蒙フラッシュの代表的作品と言えると思いますが、これは「とにかく作り込まれている」という一点突破で非常に高いエンターテインメント性を持っています。ここまでの「作り込み」がなかったら、私なら始まってしばらくしたらウインドウを閉じてしまいます。

人権擁護法についてのフラッシュに話を戻すと、これらのフラッシュがちょっと過激な反対の内容ばっかりなのは、その「過激な主張」そのものにエンターテインメント性が包含されているから──というと語弊がありますけど、案外それがほんとのところなのではないかと思っています。

人権擁護法案が可決されたら作ったり公開したりできなくなっちゃうだろうなー作品を折角だから今のうちに作って公開しちゃえFlashが、上手にギャグっぽく作ってあってそのことを浮き彫りにしていると思いました。

不謹慎を承知で言ってのければ、この問題にはJASRACのガイドラインに通じる面白さがあるんですよね。つまり純粋にフラッシュのネタとして考えると人権擁護法案の問題点って、実に「おいしいネタ」なわけです。

一方で、人権擁護法について賛成の立場や中立の立場に立ってみると、これが実に面白くありません。全くネタになりません。

賛成あるいは中立の立場のフラッシュがないのも、私がそういうのを作ろうと考えても全くろくなアイディアが浮かばないのも、こういう理由からなんだな、と思ったわけです。

さて。以下は蛇足ですが、誤解されないように人権擁護法案についての私の立場を書いておきます。

今の人権擁護法案に問題点が多いことは議論の余地がないのではと思っています。拡大解釈により本来の趣旨からはずれた運用がされることは、どんなに想像力のない政治家でも思い至ることだと思われます。したがって、被差別者が利権を得るための立法だと指摘されて「想定外のことだ」とかいう寝ぼけた答弁は許されません。

毎日新聞揺らぐ与党シナリオ 自民調整に影という記事によると、この観点で見直しされることになったそうなので、経過を見守りたいと思います。

なお、この問題については、人権擁護法案10年史及びそのリンク先が有用だと思いました。「絶対反対」とは異なる意見が読めます。