カラオケJOYSOUND Wiiでアイマス楽曲ほぼ壊滅状態の謎

連続してアイマス関連の話題で恐縮なんですが、それはともかく。

下記の記事を読んでカラオケJOYSOUND Wiiを買ってみましたが思ったより良いです。

特に通信周りをかなり頑張ってると思います。実は一番最初の接続時にえらく待たされて、「検索するたびにこれだけ待たされるとなると悲惨だな……」と思ったのですが、一回接続してしまえば後は比較的さくさく行きます。ぶっちゃけバーチャルコンソールWiiウェアの検索の方がよっぽど重たいです。

ちょっと期待と外れたのは、JOYSOUNDで歌える曲(カラオケ・歌詞検索)の全てが歌える訳ではないという点ですね。パッケージにRolandのロゴが記載されていることから推測するにソフトウェアMIDI音源で鳴らしてる様子なので、データの互換性の問題もあるのかも知れませんが。

とはいえ、(一部の人には)気になるアニソン関係も割と頑張ってる方だと思います。「らき☆すた」なんかはキャラソンまでほぼ網羅されてます。先週(7日)の追加曲にも「有頂天がとまらない:有頂天(小神あきら白石みのる)」が入ってたりと、かなりの力の入れようです。

で。

記事のタイトルのアイマス楽曲なんですけど、これはひどい状態です。THE IDOLM@STER 楽曲リスト - アイマス楽曲データベースから抜粋させて頂いてリストアップしてみますと、

タイトル 店舗 Wii
アーケード版の初期曲
太陽のジェラシー ×
Here we go!! ×
おはよう!!朝ご飯 ×
9:02pm ×
THE IDOLM@STER ×
ポジティブ! ×
魔法をかけて! ×
First Stage ×
蒼い鳥 ×
エージェント夜を往く ×
Xbox360版での追加曲
まっすぐ ×
relations ×
思い出をありがとう ×
My Best Friend ×
GO MY WAY!! ×
私はアイドル ×
L4U!でのDLC追加曲
shiny smile ×
Do-Dai ×
my song ×
i ×
神さまのBirthday ×
ふるふるフューチャー☆ ×
SPでの追加曲
Colorful Days
オーバーマスター
I Want ×
キラメキラリ ×
迷走Mind ×
目が逢う瞬間 ×
スタ→トスタ→ ×
隣に… ×
フタリの記憶 ×
Kosmos, Cosmos ×
いっぱいいっぱい ×

と、店舗では上記の全部が歌えるのにJOYSOUND Wiiでは新曲の「Colorful Days」と「オーバーマスター」以外全滅です。

その一方で、オリジナル曲の「STYLISH QUEEN★」「夢見る頃」「月下祭 〜la festa sotto la luna〜」「URGENT!!!」「あしたアイシテル」なんてあたりは入ってたりと訳が分かりません。

この偏り方はデータの互換性というわけでもなさそうです。技術的な問題じゃないとすると権利関係ですが、まさかカラオケJOYSOUND Wiiの開発がハドソンだからといってバンナムが意地悪してるわけもあるまいし……と、こういう時に絡んでくるのはそう、JASRACですね。

というわけで早速JASRAC作品データベース検索サービスで検索してみますと、ビンゴでした。アイマス楽曲のほとんどはその権利の一部しかJASRACに委託されていません。

JASRACで管理している支分権のうち今回絡んできそうなのは「ゲーム」「配信」「通カラ」ですが、基本的にアイマスの楽曲はこのうちでは「通カラ」しか委託されていませんでした。一方で、上記の「STYLISH QUEEN★」とかは全ての支分権が委託されています。

JOYSOUND Wiiの場合、おそらく「配信」で引っかかったのでしょう(「ゲーム」はちょっと微妙な気がします)。

実はアイマスに限らず、いわゆるエロゲの主題歌あたりもJOYSOUND Wiiではほとんど(全然?)歌えないのですが、これらも支分権の一部が委託されなかったり、そもそもJASRAC管理楽曲じゃなかったりするからだと思われます(エロゲの主題歌の場合は家庭用だからという配慮もあるのかも知れませんけど)。

最近は何でも通信カラオケで歌えるようになったので忘れてましたけど、かつては基本的にJASRAC管理楽曲しかカラオケで歌えなかったんですよね。「いちごGO!GO!」カラオケ化計画なんてのもあったくらいですし。今の状況は通信カラオケ業者の努力のたまものなんですね。JASRACに委託されてればJASRACに使用料を払うだけで良かったのですが、そうでないと直接権利者に働きかけないといけないわけで、権利関係にかかる手間が並じゃないわけです。

ただ、JOYSOUND Wiiについては管理楽曲でも歌えない曲があったり、逆に「Colorful Days」や「オーバーマスター」のように、「ゲーム」や「配信」が委託されてないにも関わらず入ってる曲もあるので、権利関係の問題だけというわけではなさそうです。

というわけで、今回は(意外にも)「JASRACが悪者――というわけでもなかった」という結論になるわけですが、それはそれとしてアイマス楽曲が全然歌えないのはあまり嬉しくありません。さて、いったい誰に文句をいえばいいのやら。