ここは瞳子に感情移入のマリみてアニメ春第12回

今回は『パラソルをさして』の前編と言える「青い傘」。『パラソルをさして』は、個人的には『レイニーブルー』より読むのが辛かった――なんてことは以前書いたので繰り返しますまい。

さて、今日はミルクホールでクラスメイトと歓談する祐巳に突っかかる瞳子をフィーチャーしようかと思います(なお、いかんともしがたい事情で原作が手元にないので原作がらみで変なこと書いてしまうかも知れません)。

ここでの瞳子、めちゃくちゃ感じ悪いわけですが、瞳子の気持ちも今となると分かる……というか、アニメでは思いっきり瞳子にも感情移入してしまいました。事情を知ってる身として祥子さまのことを思うと、祐巳のあの笑顔は例え事情が分かっていても見ていられない。

今年の6月に読み返したときは、瞳子に感情移入なんてしなかったんですけど、今回に限って何故そんなことを思ったかを考えてみたところ――

もしやキクラゲにまで遡らなければならないのではないかと思い至りました。

原作で、茶色い男物の傘がキクラゲのようだと思う祐巳。そのまま消えてしまいたいという状態から祐巳が徐々に徐々に立ち直っていく、その最初の足がかりがキクラゲなわけで。

アニメではそのあとも割と急展開で、ゆっくりと立ち直っていく過程がすっ飛ばされているので、祐巳があっさり立ち直ってしまったように見えてしまいます。それを見て瞳子ちゃんと一緒になって「なにそれ?」と思ってしまったんでしょうな、と自己分析。

今回は特に過程が大事なだけに、ディテールを省くと祐巳に感情移入しづらくなってしまうのでした。それで私の場合は「瞳子に感情移入」というあり得ない事態に。

そういえば、青い傘が帰ってくるくだりも結構皆さん不満なようでした。私も不満でした。

私この先生の運命を絡めた傘が見つかるまでのお話がすごく好きで、今回のタイトルが「青い傘」ってタイトルだけに
めちゃくちゃ楽しみにしたんですが、省略ですよ・・・・あぁ・・・なんでぇ〜?
ミッフィーちゃんはそんな簡単に傘を差し出す人じゃない!!(おいおい

原作ではここに長々としたエピソードがあるんですが・・・殆どカット(´・ω・)
先生が傘に入れてもらった話や修繕されている話は欲しかったなぁ。

やっぱりアニメはあっさりしすぎですよね。

青い傘が戻ってくるために必要な要素がいろいろあって、それがどれ一つ欠けても祐巳のところに戻らなかったわけでして。――それらが皆偶然だったのか? いや、そうではない。祐巳のところに戻ってくるための必然だったのだ、という話の持ってきかたはすごく粋というか。

この先生はそのうえ芝居っ気たっぷりです。ヘッドさんが

これ、先生、祐巳の事情を知ってるんじゃないかという感じがするな

と指摘していますが、私もそう思います。少々分かりすぎているきらいがありますけども。ここは多少の不自然さよりも、よりドラマチックになることのほうが優先されたのでしょう。