可愛げがあればツンデレだと思えますけどね

「そんな言い方誰もしない」というセリフをどう解釈すべきかの件、収束しないですねー。

一応しっぽさんの言わんとしていることは分かってきたんですが、その上でやっぱり納得がいきません(単に立場の違いなので私が納得いく必要は全くないと思いますが)。

で、以下は「なんで私がしっぽさんの主張に納得できないか」の説明だと思ってください。それがひいては「読み違う人が多い」理由の解明の一助になるんじゃないかと思いますので。

しっぽさんの主張は下記のコメントに端的にまとまっている気がしました。

みんな知らないから、教えてもらわなかったから、知らないのは仕方ない
ってのと
みんな言ってないから、知らないことが正しい
ってのと
意味が違うってこと、ここが理解していただけないのだろうか?

前者は、今までの自分にとって、知らないことが仕方ないという意味で
後者はこれからの自分にとって学習しないことが正しいという意味で
前者は事象、原因と結果であり
後者は意思、理由と目的であり
この明確な違いがどうしてみんなわからないのかがわからない僕も
頭が悪いんだろうな、きっと、と途方にくれる今日。

分からない人は何が分からないかというと、「知らないことが仕方ない」と言いたいときになんで「そんな言い方誰もしない!」なんて人を馬鹿にした口調で言うのか分からないからです。それこそ、その人にとっては「そんな言い方誰もしない」からです。

で、しっぽさんの返信エントリにおいて上記のコメントに対応するのは次の部分だと思われるのですが、

子供が「相手がおかしいんだ」と思っているのか
「自分は馬鹿じゃないんだ」と思っているのかによって
全然意味は変わってくるので、今回の問題はそこなんではないかと。

私はこれは微妙に違うと思います。

これはどっちかというと、『「自分は馬鹿じゃないんだ」と自分を(あるいは相手を)納得させるため』に、『「相手がおかしいんだ」ということにする』か、あるいは『「知らないのは仕方ないんだ」ということにする』か、その違いですよね。どうもしっぽさんの書き方は目的と手段とを混ぜてしまっている印象です。

このとき実は目的が2つあります。

  • 目的1:「自分は馬鹿じゃないんだ」と自分を納得させる
  • 目的2:「自分は馬鹿じゃないんだ」と相手に示す

この2つの目的を「相手がおかしいんだ」あるいは「知らないのは仕方ないんだ」という理屈で達成するとします(それらが事実か否かはここでは考えません)。このとき、それぞれの目的についてそれぞれの理屈に基づく手段が考えられます。具体的には、

  • 目的1について、
    • 手段1A:「相手がおかしいんだ」と思う
    • 手段1B:「知らないのは仕方ないんだ」と思う
  • 目的2について、
    • 手段2A:「相手がおかしいんだ」ということにする
    • 手段2B:「知らないのは仕方ないんだ」ということにする

目的1を達成するための手段はいわゆる認知的不協和の解決の問題ですから自分で選ぶ余地はないんですが、まあここでは「(無意識のうちに)選択する」としておきましょう。

で、これらの手段の組み合わせは任意です。例えば世渡りがうまい人は仮に「相手がおかしいんだ」と思ったとしても、それこそ馬鹿だと思われる可能性があるのでそんなそぶりを見せることはしません。したがって、手段を次のように組み合わせます。

  • 組み合わせ1
    • 手段1A:「相手がおかしいんだ」と思う
    • 手段2B:「知らないのは仕方ないんだ」ということにする

と、このようにAとBとが必ずしも対応している必要はありません。

で、しっぽさんが主張する組み合わせはこれであるように見えます。

  • 組み合わせ2
    • 手段1B:「知らないのは仕方ないんだ」と思う
    • 手段2B:「知らないのは仕方ないんだ」ということにする

少なくともしっぽさんが例としてあげているプログラマの話はこれです。

しかし子供が実際には「そんな言い方誰もしないよ」と、かなり失礼な言い方をしてしまうことで次の組み合わせになってしまっています。

  • 組み合わせ3
    • 手段1B:「知らないのは仕方ないんだ」と思う
    • 手段2A:「相手がおかしいんだ」ということにする

子供が何を考えているかを度外視すれば、「そんな言い方誰もしない!」なんて人を馬鹿にした口調で言われて「おまえがおかしい」と言われてると感じない人はいないはずです。ここで選択されているのは手段2Aなんです。

しっぽさんの解釈は本当はこっちなのかも知れませんね。で、手段2Aが選択されているからって、

  • 組み合わせ4
    • 手段1A:「相手がおかしいんだ」と思う
    • 手段2A:「相手がおかしいんだ」ということにする

という解釈はおかしいと言いたいのかも知れません。

(私は逆にこれは「妥当な推論」だと思いますし、すべてがそうだとは言いませんが実はこのパターンである「場合もある」と思っています)

とまあ、この話は以上の4つの場合に分けることができるんじゃないですかね。

ちなみに私の前の記事における分類との対応関係はというと、組み合わせ4(おかしい、おかしい) が (b)、組み合わせ2(知らない、知らない) が (c) 、組み合わせ3(知らない、おかしい) は 「(b) のように見える (c)」です。

どのパターンだと「決めつける」かによってこの話に対する解釈が変わってくるし、それは個人の経験に依存するというのは前回の記事で私が主張しているとおりです。

そんなわけで、私はこういう具合にこの問題を切り分けているので、しっぽさんの言うところの

なんにしても相手の態度関係なく問題間違ったら恥ずかしいと思うので、別に恥ずかしい理由を考える必要は無いと思うんですが、そこって重要だったのでしょうか?

──については「重要です」が私の答えです。

あと、「考えてることと態度が違うというのがよく分からない」という人へ。

つ「ツンデレ

(この話の続き→結局「そんな言い方誰もしないよ!」をどう解釈すればいいのさ