「そこに置かれてる」だけで下手な書評サイトよりも強い意志を感じることもある

下記の記事につきまして。

関係ありそうで関係ない話をしますが、以前品揃えがちょっと特徴的なコンビニに遭遇しまして。

なんの品揃えがか、というと本の品揃えなのです。

ずいぶん前に撮ったものなのでラインナップが古いですが、よく見ると一番上の段にマリみてが置いてあるのです。


(画質が悪くてすみません。ちなみにこれは『クリスクロス』でした。今年の4月の写真なので時期的には『あなたを探しに』が出てるはずなのですが……)

さらに2段目を見ると『咲』やら『ヘルシング』やら『ユリア100式』やら『ながされて藍蘭島』やら置いてあるわけですよ。

「お、これは」と思いましたね。ここの主な利用者が偏ってるのか、仕入れ担当者の趣味なのか。恐らく後者だと思われますが、この品揃えは他のコンビニとはひと味違います。

その後も『ネギま!』とかは当然置いてましたし、それよりはマイナーなところだと『ヴァンパイア十字界』を置いてたこともありました。これは個人的にかなり好きな作品なので置いてあるのを見たときは嬉しかったものです。もっとも既に他のところで買ってしまっていたので、そこでは買いませんでしたが。

そんなこんなでこのコンビニの品揃えを気にしていたところ、ふとマリみてではない他のコバルト文庫が置いてあることに気づきました。


(例によって見にくくてすみません)

「ヴィクトリアン・ローズ・テーラー」というシリーズもののようです。読んだことのないものでした。他のところならまだしも、このコンビニに、ですよ。わざわざこのシリーズが2作品も置いてあるのが気になるじゃないですか。

「あのコンビニにあった作品」ということで読む価値があると見て、シリーズ第1巻を別の本屋で買って(えー)読んでみました。

──いやはや、大変私好みでした。とりあえず今は3冊目まで読みましたが、これは全部揃えそうな勢いです。

このシリーズについてはとりあえず既刊を全部読んでから言及することにしますが、それにしても何をしてこれを私に購入せしめたかを考えると、結構難しい問題です。

品揃えが面白いな、と思ったのもそこがコンビニだったからで、普通の本屋とかだったらスルーしていたと思います。

また、仮に書評サイトで見かけていたとしても買うには至らなかったでしょう。例えば「まいじゃー推進委員会!」ではこのシリーズも当然とっくの昔に紹介されていたわけですが、これをもし先に読んでいたとしても買わなかったような気がします。ここの管理人さんの書評は(自分の好みと照らし合わせて)かなり信頼できると思っているのですが、それでも、です。

まして他の全然知らない方の書評で見かけても買おうとまでは絶対思わないですよ。買おうと思っているものについて調べているときに参考にする程度がせいぜいです。

一方そのコンビニには、ただそれが、そこに置いてあっただけなのです。

これが「いつも見ているサイトにアフィリエイトが貼ってあった場合とどう違うのか」とか「Amazonリストマニアとの違いは?」とか色々考えてみたんですが、どうもいい切り口が思いつきません。

強いていえば意外性が重要なのかも知れませんね。あって当たり前のところにあってもしょうがなくて、「え、なんでこんなとこに?」というところに出てきたものに人は「意志」を感じるのでしょう。

少し前に、発売中の「群像」で、筒井康隆が「涼宮ハルヒの消失」が一番面白いといってるという記事が一部で話題になったことがありましたが、これを受けてわが青春時代の神すなわちゴッドである筒井康隆先生も読んだというのであれば、私もいいかげん読まなければなるまいといって涼宮ハルヒの憂鬱を読んだという方がいました。ちなみにエロチック街道のヘッド氏もはてブしまった、師匠も読んだのならそろそろ読むか。と書いてます。

これはもちろん特定人物の書いた感想だから影響力があったと解釈するのが妥当ですが、さらに「意外性」があったから余計に強い効果があったのだ、と考えても良さそうです。