はてなダイアリーと Wiki と howm

はてなダイアリーキーワード登録機能は Wiki に似ていますよね。キーワードに勝手にリンクがついて、そのリンク先は誰でも編集できる、ってあたりは Wiki そのものなわけで。
他にはてなダイアリーWIki との共通点というと、* とか - とかを行頭に書いたテキストが見出しとか箇条書きとかにフォーマットされるあたりですが、この機能は元を辿ると RD に行き着くのではないでしょうか。こういうことを考えるとアイディアの流れみたいなものが見えて面白いですね。
さて、いろいろなアイディアの流れが交錯する中、Wiki のアイディアの分流の一つに howm というものがあります。この howm が今売っている UNIX USER という雑誌に特集されていたので、さっき立ち読みしてきました(「買えよ」という話もありますが)。
これは思いつきとか予定とかをこまごまメモしておいて後で閲覧するのに便利なツールですが、その本質は UNIX USER の「書き散らかし指向メモツールhowm」という見出しが良く表しています。このキャッチを考えたのは編集者でしょうか。さすがプロです。
実はこのツールを作ったのは私の知っている人でして、開発初期にそのコンセプトを聞いたことがあります。
howm の初めは、例えば >>さいたま と書くと「さいたま」という言葉が含まれる文書へのリンクが生成されるという機能だけでした。2ch では >>120 と書くとそのレスを参照するリンクが自動生成されますが、それと同じノリです。
もっとも howm の場合、実装としてはリンクというよりも全文検索へのトリガーと考えた方がよいでしょう。そしてその検索結果を一覧表示するなどして見やすくしたものが howm です。
howm でなお面白いところは、この全文検索機能の派生としてスケジュール管理機能を実現しているところです。決まったフォーマットで日付と予定をどこか適当なファイルに書いておくと、メニュー画面にそれらがまとめられてスケジュールが表示されるわけですが、これはつまりその決まったフォーマットの検索結果を表示しているだけに過ぎないのです。
我々は(少なくとも私は) Web にあふれる情報の洪水の中、もはやブックマークすらあきらめて検索エンジンに頼り切った生活をしているわけですが、基本コンセプトは「全文検索」である howm はそんな流れの中に生まれたツールであるような気がします。
howm とは「一人お手軽 Wiki もどき」の略なのだそうですが、そう考えるとどっちかというと一人Google と言った方がよいのかも知れません。
興味を持った方のために、以下関連リンクなど列挙します。便利なツールなのでオススメですが、惜しむらくは実装が emacs-lisp だということですね。例えば Windows で使おうと思ったら Meadowxyzzy あたりをインストールしないといけません。

本家本元

配布やチュートリアルなど。

一人お手軽WikiもどきWiki :p

howm についての Wiki。まだ熟してない感じです。これからに期待ですね。

2ちゃんねるのスレッド

最初の方で荒らしている偽作者が面白いです。

howm が載ってる UNIX USER の目次

「わー、ほんとに載ってるー」っていうだけですが。