実は黄薔薇姉妹が活躍のアニメ第7回

今回は「ウァレンティーヌスの贈り物」の話というわけで、トリュフが中に仕込んであるチョコレートケーキを食べながら鑑賞。妹からもらったものですが。奇しくもパッケージには薔薇の絵が描かれています。──あ、うまい。実は高いんじゃないか、これ。うーん。ホワイトデーはどうしよう。

それはともかくとしてアニメ本編。うーん。端折り方がスマートじゃないなー。あと説明くささがちょっと鼻につく。

それにしても「反対! 反対!」での由乃さんの動きは期待以上。腕で大きくバッテン作ったかと思ったらぶんぶん振り回しはじめて、このまま変身しちゃいそうな勢いです。GIF アニメかフラッシュにしてトップに飾りたいですね。

あと、あまりにさりげなかったので、危うく聞き逃すところでしたが、令が祐巳に本渡すとき。「令さん特製レシピ」って! 令さんはしゃぎすぎー!!

そういえば令のことを「令さん」って呼ぶ人って山百合会周辺にはいませんね。小説全体に対象を広げても『降誕祭の奇跡』でだけじゃないかな、「令さん」と呼ばれてるのは。普段は「令」か「令さま」か「令ちゃん」。誰も「令さん」と呼んでくれないので自分で呼んでみたのか。

しかし今回レイニーブルー的な切り方。まあ、あれほどシビアではないですが。

ここでの誤解──というか誤解に気づくあたりが確かに山場でして、祐巳の視界が涙で曇っていくあたりはまあ、アニメでなきゃできない演出だったわけですが、それでも盛り上がり方は小説の方がずっと上ですね。

ここでは祥子さまの本心を祐巳は全く気づいてないのがポイントだとおもうんですよね。ついでに読者にも陽には示されない。本当の誤解って、そういうもんだと思うんですよね。自分の言動が相手に及ぼしている影響に全く気づいてない状態。読者もそういう状態に置かれていてはじめて祐巳にどっぷりと感情移入できるわけです。今回みたいな演出だと視聴者は結局第三者。全然入り込めません。

だから祥子さま激昂のシーンまではひたすら祐巳の方が寂しいという描写に徹しなければならないのです。そうすることで初めて祥子さまが感じていた寂しさが浮き彫りにされるのでは、と。そして階段の上の方から聞こえてくる声。

あなた方も、やっぱり私を一方的に悪者にするつもり!?

──このとき祥子さまは他の人になんて言われて、そしてどんな顔をしてこう叫んだのか。それを考えるだけでさらに涙があふれてくるのです。

しかし今回の予告はちょっとパワーダウンですね。ていうか、二人は誤解中ではなかったのか。仲良くしりとりやってる場合じゃなかろう。しかし、よく考えると攻め受けが入れ替わっています。祐巳が祥子さまに皮肉を。もしかしてこれから祐巳が暴走し始める伏線なのかも知れません。予告に限った話ですが。