このくらいの密度がちょうどいいアニメ第9回

今回は違和感なく BANK を使えるということもあって余裕があったのか、割と無理のないストーリー運びでした。

それにしても美冬さんが祥子さまに声をかけたりかけようとしてるシーンに違和感がありました。妙に積極的なんですよね。それだけの積極性があるなら、高等部からでも新たな関係を築き直せたはず。

美冬さんは、典型的囚われのお姫様タイプだった訳ですよ。つまり、自分から何か行動を起こさなくても待っていればきっと王子様(=幸せ)がやってくると信じていたタイプ。もちろん、高等部に入るための努力はしたんでしょうが、高等部に入りさえすれば、あとは「自然に」祥子さまと仲良くなれると、そう思いこんでいたわけですよね。

そういうことから、鵜沢の次が小笠原、つまり出席番号が近いという絶好のチャンスすら生かせず、2年の2月になっても関係が全く進展していなかったというあたりがもっと強調され、さらにせっかくの手伝いの申し出をも断ってしまう一種の卑屈さがはっきり示されないといけないと思います。そうでないと、ラストで祥子さまと一緒に廊下を歩いているシーンが生きない。

あと、美冬さんの後悔と言いますか、朝、祥子さまを追いかけなければ良かったのに、追いかけても隠している現場を見なければ良かったのに、現場を見てもカードを手に取らなければ良かったのに、カードを手にとってもそれを持ち帰らなければ良かったのに、と、どんどん状況が悪くなってしまうのが分かっているのに流されてしまう、いわゆる未必の故意ってやつがもうちょっとはっきり出てればなーと。下手すると中学生日記っぽい痛さになるので注意が必要ですが。

予告は相変わらずで何よりです。祐巳のつっこみも板についてきました。今回の祥子さまのボケはほんとギリギリのところですねー。祥子さまはあんな下世話な番組見てるのかね、と。ていうか他人事じゃないんでは。小笠原家の家政婦は大丈夫なのか。祥子さまご本人はともかく、お父様やお祖父様はいろいろあるんじゃないのか……とか。うむ。考えれば考えるほど可笑しみが出てきますな。