もっと頑張れたのでは? のアニメ11回

手、手、手、今日は手の日です。とにかく手の表情が豊か。

白薔薇さまがマリア像に拳を突きつけるシーン、しおりを求めて掲げられる両手、「約束を違えないでちょうだい」と言いながら頭へと伸ばされる前白薔薇さまの右手、白薔薇さまがかざした掌を下ろすとその向こうにいる紅薔薇さま、栞と絡み合わせた指、またねと言いながらあげられる栞の左手、どれをとっても良いです。

ちなみに「バァン」はなし。私はアレ、なしでもよいかと。小説で読むと印象的でいいシーンなのですが、映像になると白けてしまう気がします。握った拳で十分でした。

ただ、全体的に美しさが足りなかった気がします。特に最後の「ハッピーバースディ!」のシーン、どうやら私は脳内美化しすぎていたようです。私の脳内では――

イルミネーションに彩られた街を歩く3人。0時ちょうどの電子音を響かせる腕時計。3人の目の前にはクリスマスツリー。そのちょうどてっぺんの先にあるかのように見える時計の、重なった長針と短針。そのままツリーの根本へチルトするカメラ。ツリーのイルミネーションの逆光を浴びる2人の背中。その影の縁を七色に滲ませながら2人が振り返って――

――って感じだったんですけども。

あとラスト、白薔薇さまは「知らない」っていうのが良かったのにー。

ここで私は名作ドラマ『空と海を越えて』のラストを思い出さずにいられないのです。このドラマ、離島でボツリヌス菌による中毒になってしまった子供たちを救うためにネットで協力し合った2人が、ラストに街中ですれ違うっていうシーンがあるんですね。このとき2人はお互いの顔を知らないので、ただ、すれ違います。

原作の「いばらの森」のラストはこれと似た感動があると思うんですけども。まあ、前回から1週間空いちゃってるから、わかりやすくするためにはこうするしかなかったのですかねぇ。うーむ。

予告はひたすらはしゃぐ祐巳と冷めた祥子さま。確かにファーストデートというものを純客観的に見れば、祥子さまが言うこともあながち間違いじゃないですけども。