一般生徒代表は桂さんじゃなくて三奈子さまかも知れないマリみてアニメ春第11回

はい、「レイニー止め」で有名なレイニーブルーです。「レイニー止め」についてはYU-SHOWさんの好き好き大好きっに転載されている民明書房による解説に詳しいです。なお、民明書房を知らない人は是非キーワードリンクを辿ることをお勧めします。

そんなわけで陰惨陰鬱な今回。真面目に感想書くと長くなるし鬱が止まらないので、今日は三奈子さまに注目します。

たまに登場するかと思うと山百合会を引っかき回す新聞部部長の三奈子さまですが、今回も「下駄箱の影から顔を出す」という、どこまで行ってもギャグキャラとしか言えない登場です。それでいて(今回に限って)言ってることは鋭いわけですが。

今回は黄薔薇革命に続く姉妹破局の危機なわけで、いかにも三奈子さまがおもしろがりそうなシチュエーションです。しかしなんと今回は「偽物の笑顔は見たくない」とか言って祐巳にアドバイスをします。

ここで、黄薔薇革命の時は「リリアンかわら版」の記事にまでして煽っていたのに、今回は何故三奈子さまはおもしろがらないのかってのが疑問点として挙がってきます。まあ、ここは「祐巳の人徳」としておくのが一番分かりやすいし、そう考えればここも後々の展開への伏線になるので、これを主流の解釈としておいて、以下傍流の解釈を述べますと。

根本的に三奈子さまは善人――というか「いい話」が好きなんだと思います。黄薔薇革命の時は黄薔薇姉妹の破局を筆を尽くして「美談」に仕立て上げてますから。

あるいは「感情移入して楽しめるか」が価値判断基準であると見なせば「イエローローズ」の方も説明できていいかもしれません。「黄薔薇革命」で由乃さんに感情移入すれば自分に酔えるし、「イエローローズ」で江利子さまに感情移入すれば普通のリリアン生でいる限りは得られない刺激があります。

そういう意味では今回のシチュエーションで祐巳側に感情移入しちゃうとあまりに救いがなさ過ぎるわけでして。それじゃ全く記事にならない。それが三奈子さまを「らしくない」おせっかいに走らせる動機の一つかも知れません。

そして「記事になるか」という基準は「読者(リリアンの生徒)が求めているか」という基準と同等と言えます。で、三奈子さまはその基準が実によく計れます。

ということは、実は三奈子さまというのはエキセントリックなようでいて、リリアンの一般的生徒の代表というか象徴的存在なわけですね。こう考えると前の薔薇さま方の卒業の時に三奈子さまが泣き出すあたりも、すごく納得がいくわけで。

だから今回の三奈子さまの行動は、祐巳がどれだけリリアンの生徒に親しまれているかを象徴するものともいえるわけです。と、結局主流の解釈の「祐巳の人徳」に帰着してめでたしめでたし。

さて、三奈子さま話はこんなところにしておいて、余韻の残るままにキャプなど見に行きましたところ。

まず、Snow Mousseの雪華さんとこ。

「行かないで、お姉さま!」
「私より瞳子ちゃんの方を選ぶんですね!」
祐巳の溜めに溜めた悲痛な言葉です・・・(;´Д⊂
対する祥子さまは「…怒るわよ」と言ってそのまま立ち去る・・・。

ここのセリフはフォントが拡大されてました。やはり、祐巳がついに感情を爆発させてしまうシーンは見ていていたたまれませんね。

Transparencyの透-架さんも、このシーンについて

で、あの怒るわよの台詞は祥子が祐巳に向かって初めて生きた目で言ったシーンでして 祐巳も怒られてるのに、久しぶりに祥子がちゃんと自分を見つめて発言したと半ば嬉しかったとか、嬉しくなかったとか・・・(え?

という具合に補足しています。たとえ負の感情でも、自分に感情を持って接してもらえたことが嬉しい、という……。そうなったらもう末期ですね。原作ではここで祐巳が「怒るわよ、だって」とつぶやくのですが、アニメではカットになっています。

エロチック街道のヘッドさんも、

欲を言えば、やさぐれていく祐巳をもっとじっくり描いてほしかったですが、まあそれはしょうがない。でも「怒るわよ、だって」のあたり、初めて祥子に対して反抗的というか、客観性が出たわけで、対等な形になるには必要なステップだと思う。

と、ここんところの重要性を指摘しています。

……あー、やっぱり鬱になってきました。三奈子さまのこと書いてるときは平気だったんですが。十分長くなったし、あんまり辛いのでこんなとこで。