マリみて新刊の後書きのようなことは横溝正史も言ってたなあ
マリア様がみてる 21 薔薇のミルフィーユ (コバルト文庫)
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2005/07/01
- メディア: 文庫
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「季節合わせ読み」をしているせいでマリみて新刊を読むことができない今日この頃、最近各所で話題になっている下記の記事が気になっていたのですが、ネタバレを恐れて読むのを控えていました。
でも特にネタバレはないという話を他で聞いたので読んでみたところ。
特定の場所をきっちり取材して書いているわけではないので、実際に似ている場所へ行ってみると矛盾が生まれるとのこと。だから深い追求はしないでほしいらしい。
そういえば金田一耕助(金田一少年ではなくその元ネタ。ていうかじっちゃん)の生みの親として有名な横溝正史もそんなようなこと言ってましたねえ。
- 作者: 横溝正史
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 1979/01
- メディア: 文庫
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いま手元に本がないのでうろ覚えなんですが、『真説金田一耕助』というエッセイ本で、夏目漱石の『草枕』から引用しながら、やっぱり「長いことやってると矛盾も出てくるものなので、あんまり追求しないでほしい」というようなことを書いていました。
まあ、年代をきっちり書く癖があるので墓穴を掘っていると述懐していましたが。
ちなみに『草枕』から引用されていたのは下記の部分。
五年も十年も人の臀に探偵をつけて、人のひる屁の勘定をして、それが人世だと思ってる。そうして人の前へ出て来て、御前は屁をいくつ、ひった、いくつ、ひったと頼みもせぬ事を教える。
年代やらなんやらをきっちり調べ上げて矛盾を指摘してくるような人を、ユーモアを交えて「ひった屁を数える人々」と評しているんですね。
確か、このエッセイでは作品が愛されてる証拠なので云々という結論になっていましたが、やっぱり矛盾が見つかるのを恐れてなるべく追求しないでほしいというのが作者一般の本音のようです。
まあ、普通そんなものですよね。でも逆に「ネギま!」なんかはちゃんと考えられてるんじゃないでしょうか。角度とか。