誘導的アンケートの応用としての「著作権バトン」

Musical Batonを嚆矢とするなんちゃらバトンに妙な亜流が登場したようです。その名も「著作権バトン」だそうで。

著作権バトンと聞いて私が思い浮かべたのは次のようなものなんですが、

  1. コンピュータに入ってる違法コピーファイルの容量
  2. 今ダウンロードしているファイル
  3. 最後に「買った」CD
  4. nyなどでよく検索する、または特別な思い入れのある5つのキーワード
  5. バトンを渡す5人

どうも違うようです。

これがいわゆる誘導的アンケートのやり口を踏襲しているんですね。

Q.1
あなたは『著作権』と言うものを知っていますか?
Q.2
ブログやホームページなんかにアーティスト様の画像を貼るのは違法だと知ってました?
Q.3
そして、アーティストの画像をブログやホームページに貼っていますか?
Q.4
(貼ってた人だけ)今から貼らなくてもまだ間に合います。貼らないと心から誓いますか?
Q.5
お疲れ様。かなりシリアスな内容でしたが一言感想をどうぞ。
Q.6
このバトンを回す3人または5人をどうぞ。

──あー。なんだか説教くさいですねえ。

なんちゃらバトンって、答えを考える楽しさがウケてた要因のはずなのに、こんな設問じゃ全然楽しくないです。回されても迷惑ですし。

音楽リスナーとPCユーザのための著作権パブコメ準備号で挙げられている回答が模範的だと思うんですけど、ある程度知識があるとこういう回答にならざるを得ないんですね。こういう、誰がやってもほとんど同じ回答になってしまうという多様性のなさもいけてません。

それと、(さんざん指摘されていますが)アーティストの画像に及ぶ著作権について誤解を招く表現なのがNGです。

そういった点を別とすれば、まあ、思いついた人は目の付け所はいいですね。なんちゃらバトンがアンケートの体裁をとっている以上、むしろ今まで出てこなかったのが不思議なくらいです。でも、あまりにも意図が見え見えすぎなあたり、考えが浅いと言わざるを得ないかと。

どうでもいいですけど、これを真似した「人権擁護法案バトン」とか「のまネコバトン」とか出回ったら嫌ですねえ。いや、まあ、やってもいいんですけど、なんていうか、どうせやるなら楽しませてもらいたいものです。説教くさくないのを一つよろしく。