W-ZERO3[es]などは我々はすでに六年以上前に通過しているッ!

いやあ、ついに入手しちゃいましたよ。新しいPHS端末。液晶でかくてタッチパネルになってて操作性抜群。あとリセットスイッチ。何げに頻繁に使うのですが、この端末は押しやすいところにあってスタイラスの先っちょで気軽に押せるのも高得点──の「あの」端末。

──って、あれぇ? 何コレ?

これでもれっきとしたPHS端末です。その名もフリーショット。

1999年発売のモデルです。当時からあったんですよ、W-ZERO3もかくやというようなPDAライクなPHS端末が!

何がすごいって、これPHS端末のくせにリセットスイッチがついてたんですよ。側面をよく見ると分かるんですが、ここに開いてる穴がリセットスイッチ。

Windows Mobile マシンについてる分には「まあ、必要だよね」と思えるんですが、これは(一応)普通のPHS端末ですからね。恐らくこれがリセットスイッチがついた最初の携帯端末なんじゃないでしょうか。

W-ZERO3[es]リセットスイッチが押しやすくなったとかいって売りになってるみたいですけど、そういうことはこれを見てから言ってほしいですね。

で、これが必要なのかと言われると、必要でした。たまにハングアップするんですよね。電源スイッチ長押ししても反応しないし、仕方なく強制リセット。

もっとも、一番最初にその事態に陥ったときは軽くパニクりました。普通なら対処しようがないですからね。側面にそれっぽい穴が開いてて、押したらリセットがかかったときは、ほっとすると同時に思わず「ありえねー」とつぶやいてしまいましたよ。中身はWindowsかよ、と。

誤解を招くとアレなんで書き添えておきますが、この端末はWindowsCE機とかでも何でもなく、中身はちょっとPIM機能が強化されただけの普通のPHSです。それなのに。ああ、それなのに。

あと、あれですね。イヤホンマイクを使わないと通話できないというのも何でしたね。しかもこれが頻繁に失くなるんです。イヤホンマイクの紛失、これすなわち(PHSとしての)死を意味しますから、常に予備を用意してました。秋葉原ラジオセンター2階で一個100円で売ってたときにまとめ買いしたのもいい思い出です。

着メロとか軟派なものも一切なしで、その代わりいくつかの特徴ある(おもちゃみたいな)電子音から選べるという仕様でした。ある日満員電車の中でその特徴ある電子音が鳴って、自分かと思ったら実は鳴ってるのは後ろにいた人が持ってるフリーショットだった──なんてときはたまげましたね。「自分以外にも持ってる人いたのか!」という驚き。しかもその人、普通の主婦といった風情のおばさんでしたからね。なんでこんなマニアックなもの持ってたんでしょうね。

それでも、やっぱり、PDAライクなPHS端末というのは魅力でした。

J-PHONEの前面液晶モデル(Ref. スタパトロニクス 1998/07/21 液晶ケータイ2台の実力は!?)とかにも引かれたんですが、予算的な兼ね合いでフリーショットを選びました。

いろいろ不満はあるものの愛用してました。後継機種が出たら絶対買うのになあ……と思ってるさなか、iEXPO 2001 でフリーショット2が参考出展されてたと聞いたときはかなり期待してたんですが、その後音沙汰が無くなり幾星霜が過ぎまして。

自分の使ってる端末も京ぽんになり、Webブラウジングもできてそこそこ満足という生活を送っていて、そんな中たまたま見かけたのが、次の記事。

なんでも病院向けPHS端末としてFreeShot2が使われているのだそうで。この記事を読んだときは、最近会わなくなった古い友人が思わぬところで活躍しているのを見かけたような、そんな気分でしたねえ。

やはり当時は「早すぎた」のかな──と思うと同時に、やっとここまでたどり着いたか──なんて事をいま手元にあるW-ZERO3[es]のリセットスイッチを押しながら思う今日この頃です。