費用負担割合5/6で「オリコン勝訴」って、そりゃないよ。

「オリコンチャート」記事めぐる訴訟、オリコン勝訴 ジャーナリストに賠償命令 - ITmedia News

5000万円の訴訟で取れたのが100万円じゃあ、実質的に負けじゃないかと。弁護士報酬の相場を見る限り、着手金だけでも5000万円の3%+69万円で219万円ですからねえ。

しかも、民事訴訟って基本的に敗訴した側が訴訟費用(裁判所に納める分で弁護士報酬とは別)を支払うことになってるんですよね。
で、音楽配信メモでアップロードされていた判決文を読むと、オリコン側の費用負担割合が5/6となっています。

ポイントは、烏賀陽氏が訴え返した反訴もオリコン側が5/6負担となってる点です。私は目を疑いました。普通負けたほうが全額負担ですよ。反訴において烏賀陽氏の主張は全部退けられてるわけで、こういう場合は烏賀陽氏が全額負担が普通なんじゃないですかねえ。本訴(オリコン原告、烏賀陽氏被告)ならともかく、反訴もこの割合ってのが大変興味深い。

一見、烏賀陽氏が全面的に負けたように見える判決ですが、負担割合を見る限り勝ったんだか負けたんだかよく分からない判決です(まあこれは、「100万しか取れない訴訟で5000万円とかふっかけねえだろ、常考オリコン自重www」という裁判所からのメッセージかも知れませんが)。

いずれにせよ「オリコン勝訴」はミスリードじゃないですかねえ。少なくともこの判決文を書いた裁判官はオリコンを勝たせたつもりはないのではないかなー、と。

何度も書きますけど、勝った方が5/6負担って、ありえないですから。

でもまあ、オリコンとしてはマスコミに「オリコン勝訴」と書いてもらった時点で「実質勝ち」ですねー。大変腹立たしい。

ていうかオリコン側は、

ただ、我々の真意はお金ではありません。個人攻撃でもありません。上記のとおり、烏賀陽氏に「明らかな事実誤認に基づく誹謗中傷」があったことを認めてもらい、その部分についてのみ謝罪をして頂きたいだけです。

――なーんて言っときながら、認められたのは賠償金だけで肝腎の謝罪文の掲載については棄却された判決について、

公正なる司法の場で、このような判断が示されたことを、きわめて妥当なことと考えております。

――とか言ってる時点で噴飯ものなわけですよ。オリコンこそ控訴しなきゃ嘘じゃないですかね。