『薔薇の花かんむり』を読むのに約2週間かかってやっと追いつきました。
- 作者: 今野緒雪,ひびき玲音
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2007/12/26
- メディア: 文庫
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何で今更かというと、「季節合わせ読み」なんてのをやってるからですね。結構長かったです。去年のバレンタインデーに『クリスクロス』を読んだのを最後に一年間(自主的にですが)お預けだったわけです。
『クリスクロス』のあとすぐ(というか作中時間ではまだバレンタインデー当日)が『あなたを探しに』で、「答え合わせ」は文字の並べ替えだけは当たってたという中途半端な結果でしたが(答えを聞いて「なるほど」と思わせるあたり適度な難度でした)、ついにいよいよ瞳子がアレであれか――と思いきや、まさか結局、祐巳はそれから一週間以上も待たされることになってしまった。
と来るとは。
その次のページには何だかんだ言ったって、一週間やそこらは簡単に過ぎていくものである。
なんて書いてありますが、実際待ってみると意外と長かったです。ちなみにバレンタインデーが木曜日で、デート当日の翌々週の日曜日は(今年は)2/24だったのでそれまで律儀に待ちましたとも。
もっとも、時系列順に読むとするとこのインターバルに『フレームオブマインド』が挟まります。これが珠玉の短編集というか、大変すばらしかった。
特に「不器用姫」は白眉ですね。とにかく感情を揺さぶられる。本編での黄金パターンであるところの「相手が何を考えているか分からない状態における不安とそれが解消されたときのカタルシス」を全く逆方向に振るとこうなる――という、その両極端っぷりがすごいです。それを「リリアン女学園」という本編と同じ入れ物に入れてしまうんだから大したものだよなあ。
ところで、あとがきによるとキーワードは写真ということでしたけど、「三つ葉のクローバー」だけはそのキーワードが見つかりませんでした。あえて言うなら「とっちゃえば?」
という台詞くらいなもので。これも「写真を」というわけではないですから強引にもほどがあります(もっとも、「光のつぼみ」にもないっちゃあないんですが、可南子が主人公ですから写真に縁がないわけでもありません。それに可南子が最初に見たのが窓の「フレーム」の中の祐巳だった、というあたりもポイントのように思われます)。
閑話休題。そんなわけでデート当日を迎えて、一日を過ごすと翌日月曜日から『薔薇の花かんむり』です。
乃梨子が泣くシーンは挿絵も相まって実に良かったですね。
しかしここからがまた長い。祥子さまに体育館裏に呼び出されるのが木曜日で、そこで「あなた、再来週の日曜日は暇?」
と来ますからね。この巻はその前日までの話ですから、物語の進みに合わせて読むと2週間弱かかるわけです。
そして今日が「再来週の日曜日」であり、リベンジの日であり、『キラキラまわる』なわけです。
それにしても『薔薇の花かんむり』のあとがきで「お預け」だったのは三奈子さまが言うところの「祥子さんの奇行」のことだったとは意外というか、個人的には結構バレバレだったように思われるので、そっちよりも私はむしろ「何故乃梨子と瞳子は準備をしてあったのか」の方に興味が行ってました。そっちの謎はまだ明かされずじまい(まあ、サンタさんに会ったあのときにアレだったんでしょうけど)。
しかし今回は「これが最終巻」みたいな気持ちで読んでしまいました。ほぼオールスターというか、祐巳が言うところのロイヤルストレートフラッシュというか、とにかくそういう感じだったからでしょうか(まあ、結構大事な人が出てきてませんでしたが)。
でもまあ、一番大きな理由は次の『マーガレットにリボン』がどうやらホワイトデーの話らしいのに、出るのが4月だからかも知れません。「季節合わせ読み」してたらまた一年お預けです。
約2週間くらいは誤差と割り切って読んでしまうかどうしようか、悩みどころです。