ファンの人ごめんなさい

押井守監督のアニメーション映画『イノセンス』を観てきました!

それにしても映画館がガラガラでびっくり。座頭市とかキル・ビルとか、マトリックスシリーズの時とえらい違いです。映像にお金かかってそうな印象だったんですが、こんなんで大丈夫なんでしょうか。

で、内容なんですけど、実は私は原作の攻殻機動隊を読んだこともアニメを観たこともなかったので、説明できません。映画観ても訳が分かりませんでした。原作を知ってれば多少理解できたのかもしれませんが。

でも未来の話、というのはわかりました。押井監督が想像する未来が余すところなく表現されているんだろうな、という。それにしたって説明が欲しかったです。例えば、車が建物の前に止まるとヘッドアップディスプレイに何かをチェックした結果が表示されるというシーンがあるんですが、その表示の意味が全然分からないんですよね。まるっきり説明なし。なんでも、攻殻機動隊にはそのあたりが膨大な注釈でフォローされていたらしいんですが、映画に注釈つけるわけにも行きませんし。パンフレット買えば良かったんでしょうか。

あと、やたら漢文が出てきます。普通の会話でもいちいち孔子を引用してたり。どうやら脳が外部記憶装置と繋がっていて、適当に検索しながら会話している様子です。未来の人は記憶という作業から解放されて、その結果として会話の質が変わってしまうのだよ、という押井監督の予想なんでしょうか。それにしてもちょっと鼻につく印象です。

でも、映像はすごいんですよね。私にとって意味不明なシーンも、原作ファンにとっては「あのシーンが映像になってる!」という喜びがあるかもしれません。ハリー・ポッターの映画も、多分原作を知らないと意味不明だと思うんですよね。原作ファンにとっては「あのシーンが現実のものに!」っていうだけでもう満足、という。原作ファンでない人は、話を分かろうとすると多分ダメで、怒濤の映像に身をゆだねるのが吉かと。

あと個人的には、主人公の相棒の声が山寺宏一だったので良かったです。

ところで、出てくる人形が不気味だけどめちゃくちゃ美形ってあたり、オリエント工業のアレを思い出しました。むしろアレそのものな気がします。

(この話題の続き→id:okgwa:20040317#p1)