権利を侵害された著作権者は誰なのか

モナーを著作物として認めるか」の続きです。

AAが単体で存在するだけでは、抽象的なキャラクターとしてのモナー著作権が認められる可能性は低く、「思想又は感情を創作的に表現」する役割を果たす意味で作品に登場することで初めてキャラクターとしてのモナー著作権が及ぶのでした。

しかしながら、これらの作品に登場するモナーやら何やらの多くは既存のAAのコピペ(デッドコピー)とその改変によるものです。したがって、これらの作品にはその元になった単体のAAの著作権が及ぶと考えることができます。

いわゆる「コピペ文化」のおかげで、モナー単体のAAが、モナーやその派生のAAが登場するほぼ全ての作品の原著作物と見なされる可能性があるわけです。

それではその大本の元のモナーを作ったのは誰なのでしょうか。

モナーの源流についても色々な説があるようですが、日本虚業組合オタクちゃんねるの過去ログにおける議論が参考になるかと思われます。

AA史の黎明期は史料が少なくて、当時の証言も記録に残ったものが少なく
検証が困難を極めてますが (;´Д`)
モナー&ギコの起源については
http://siruka.milkcafe.to/
↑ここのAA系統図&キャラクター考察が、現時点では最も信頼されています。
少なくともAA描きの間では。

この系統図によると、「あやしいわーるど」の

 ヽ(´ー`)ノ

に手足が付いた

   ∩ _∩ 
 ( ´ー`)
 (    )
  │ │ │
 (__)_)

が、「あめぞう」で作られ、それが2ちゃんねるにコピペ改変されて

  ∩_∩
 (´ー`)
 (   )
  | | |
 (___)__)

となり、やがて耳や口が変わって

  ∧_∧
 ( ´∀`)
 (    )
 | | |
 (__)_)

となったようです。

どの段階のAAをモナーの起源とするかは議論の余地がありますが、いずれにしても問題になるのは作者が判明していないという点です。

モナー(およびギコ猫)の作者はヤクバハイル氏であるという説があり、本人のブログでも作者としての発言が見受けられます。

この説の根拠になっているのはゲームラボ2002年2月号に掲載された「ギコ猫モナーの謎を追え!!」という記事なのですが、特設@あめざーねっとIII板ギコ猫スレでの議論から判断するに、この話の信憑性は極めて低いと思われます。

Wikipediaモナーの項においても、ヤクバハイルとの関係について言及されており、同様の結論に至っています。

したがって、現在のところはAAの原著作権者を特定することは不可能です。