みんなが頑張りすぎた結果……
グッズ販売に伴う「のまネコ」の使用料をavexが受け取らないことに決めたんだそうで(「のまネコ」についての権利を持ってるのは有限会社ゼンのはずなんですが、不問に付しましょう)。
まさかavexがここまで折れるとは思いませんでした。なし崩しにこんな所まで流されちゃうなんて、ほんとになーんにも考えてなかったんですねえ。
ところで、こういう展開になってしまって誰が一番損するんでしょうか。
avexはモナーをパクっただけですから、使用料を取ろうなんて考え自体が濡れ手に粟なわけで、実は特に致命的な損害はなさそうです。ここまで落とされた企業イメージを多少でも回復させられることを考えれば、むしろ安い買い物かもしれません。
タイトーにとっても、もともとavexに払う分をどこかに寄付すればいいだけの話ですから、別に痛くもかゆくもありません。
もっとも、アキバBlogによると、秋葉原ではゲーセンのプライズ物が撤去の方向とのことです。
全体的にこういう傾向になってるとすると、タイトーは下手すると赤字でしょう。
しかし、下記の情報によるとタイトーのプライズは店舗の買い取りが基本なんだそうで。
結局一番割を食うのは小売店(ゲーセン)ということになりそうですね。うーん。なんだか釈然としません。それでいいんだろか。
本来ならavexは、立場が弱い小売店のために、グッズについてはもっと踏ん張るべきだったと思います。
まあ、avexはもうちょっと上手にグッズをさばくと私は思ってたんですが(それが故の反avex陣営の「実質的な負け」は確定かもという見解だったのですが)、ダメだったみたいですね。
ここまで騒ぎが大きくなってしまったら踏ん張りようもなかったのも確かでしょう。要は反のまネコ陣営が頑張り過ぎちゃったのです。明らかに引き際を見誤ったと思います。
先日の記事のコメント欄で次のようなやりとりがありました。
# 通りすがり 『グッズ販売中止の速報来ました。
http://www.et-c.com/takarajima/333/page028.html
取り急ぎご報告まで』# okgwa 『情報ありがとうございます。
なるほど、これはフラッシュに出てきた図案をそのままキーホルダーにしたほうですね。
いわゆる「のまネコグッズ」にも大きく2種類あって、モナーに酷似してるものと、一応変えてあるものとがあるようですが、これは前者ですね。前者を切り捨てて「モナーとのまネコの分離」を図ることで後者(タイトーのぬいぐるみとか)を残そうという作戦かも知れません。』# ふとん 『http://ecweb1.avexnet.or.jp/sa4web/wMENU.asp?menu=artist&ACode=NN050901&sel=artists
ここにあったはずのTシャツも消えています。
これもモナーに酷似していた商品ですね。
っていうかこういう作戦なら別に売ってもいいと思うんですけど。
商標も消えて、酷似も消えたなら今更非難する理由が消えました。』
このやりとりは商標が撤回された直後のことです。私もここが引き際だったと思います。
商標登録は撤回したものの、グッズは売り続けるというavexに対して言いたいことは山ほどあったであろうことは想像に難くないんですが、少なくともグッズについてはそれで一段落とするべきでした。
何にせよこういう状況である以上、ひろゆき氏は「キャラクター使用料が恵まれない人たちの幸せのために使われること」が実現すれば「騒ぎのオチとしては十分」
なんて言えないはずです。
もちろん、そのキャラクター使用料が純粋にグッズの売り上げから出てきたものであれば素晴らしいことです。でも、実際問題としては反avex陣営によって営業妨害に等しい行為が行われていたわけで、グッズの売り上げによって果たして利益が得られているのか微妙なところです。
仮にタイトーが相当の金額をどこかに寄付したとしても、実際にそのお金を出しているのは実は小売店の人々であるという可能性を否定しきれないわけです。
そういう人達にとってひろゆき氏の主張は、自分たちに無理矢理「自腹を切って恵まれない人たちに寄付しろ」と強制するかのように聞こえるのではないでしょうか。そんな権利はないはずなのに。
もっとも、ひろゆき氏の主張が変だと言うよりは、反avex陣営の人々が明らかにやりすぎたということだと私は思います。
avexが殺人予告が云々とか言い出して新たな火種を撒いたのは確かですが、それはそれでもはや別の問題であって、グッズとは切り離したところで戦うべきだったと思います。
「まだ許さん」「まだ許さん」を永久に繰り返すわけにもいかないのです。
今回の使用料辞退宣言でさすがに収まることを期待するのですが、あまり楽観できないかも知れません。
というのは、運動そのものが目的と化している人々が少なからずいるみたいなのです。
(続きます)