あけましておめでとうございます

一応生存確認的意味で更新。

しかしなんですね、相棒スペシャルは途中から観ても何とかなっちゃう構成がすばらしいですね。謎解きの多重構造といいますか。関係者を一部屋に集めて犯人当てをして「もう終わるだろう」的空気になったにも関わらず、実はまだ、実はまだ――と事件が容易に一件落着しないあたりが非常に「テレビ的」に思います。

ところで水没でHDDが読めなくなったってくだりはちと安直だったような(この辺から見始めた)。一発でお釈迦ってことはないはずですが、通電してたんですかね。まあわかりやすさを優先したんでしょうが、その辺もテレビ的。

犬はどこだ (創元推理文庫)

――なんて細かいことが気になるのも、その手のことをいちいちフォローする類のミステリの読み過ぎなのかも知れません。Wikipediaによると、『相棒』のSeason3第7話の「夢を喰う女」は、閲覧者の個人情報を図書館の司書から聞き出す[17]場面が、日本図書館協会や世田谷区の図書館など図書館関係者から抗議が寄せられたため、欠番となっているそうですが、米澤穂信の『犬はどこだ』にも似たようなシーンがあって、こちらではきちんと司書が「そういうことはできないんですよ、ていうか司書なめんな」的なことを懇切丁寧に教えてくれてたりします。

428 ~封鎖された渋谷で~(特典無し) - Wii

あー、あとアレですね、Wiiの『428 〜封鎖された渋谷で〜』も「フォローする類」に相当しますね。むしろ最右翼ですね。主人公(の一人)が万感の思いをこめて敬礼するシーンで、無帽私服の敬礼は云々……とか、ともすれば感動を損ないがちなところのぎりぎりのラインの蘊蓄が入ったりします(読まないこともできますし、それでもやはり感動的なシーンですよ。念のため。却って感動が深まるという人もいると思います)。

まあ、テレビでこんなことはできませんよね。そういうことをいちいち気にする人向けのメディアとそうでないメディアとがあって、ぶっちゃけテレビは気にしない人向けのメディアなわけで。ぐだぐだ説明してたらチャンネル変えられてしまいます。ただ、「放送」されるというテレビの特質から、ターゲット以外の人が観てしまう可能性が高いので、結局「気にする人」へのフォローも本当は必要になるというのがやりにくいところなんでしょうね。

「プロは素人の相場観を狂わせてはならない」のほうがより正確かも。

がくっぽいど」のパッケージイラストを三浦建太郎氏が無償で描いたという話について、こういうことがあると他の人が対価を求めづらくなるのではないかという指摘がありました。

このエントリ、私にはそんなにおかしなこと言ってるようには感じられなかったのですが、コメント欄ではフルボッコにされてますねえ。

まあ、「いついかなるときでもプロは対価を求めるべし」みたいに読めてしまう点、少し表現が良くないかも知れません。

それでも私は、この件はちょっと罪深いなあと思ってしまいます。というのは、これによってこの手の仕事の相場観を狂わされてしまう人が少なからずいるだろうからです。

私事になりますが、昔とあるイベントに関わったときに数百枚のチラシを作ったことがありました。そのときに印刷屋さんに口利きをしてもらって、いわゆる「お友達価格」でクオリティの割にえらく安くしてもらったことがありました。

このとき、その口利きをしてくれた人が「本当ならいくらかかるか」を教えてくれました。これが1割2割の話ではなく、なんと「数倍」でした。

少なからずショックを受けた私に、続けてその人はこう言いました。「別に恩に着せようという訳じゃなくて、こういう値段が当たり前だと思ってしまうと、あなたが後で困ったことになる可能性があるので」

私はこのとき「本当の相場」を教えてもらって良かったと思っています。さもなければその後における似たような機会で、プロに対してとんでもなく失礼なことを言いかねなかったからです。

さて、上記のエントリでは次のような指摘がされています。

「あの三浦健太郎先生がタダで描いた」という事実は、VOCALOIDがらみの嫌儲勢力を増長させるおそれがある。あんな超売れっ子漫画家がまったくの善意からタダでやってくれたんだから、当然お前ごときが対価を要求したりしないよな? という醜悪な論理展開がなされるのが目に見えている。

もっとも、プロ同士の仕事でそんなバカバカしいやりとりになることは考えられないでしょう(これに続く「自己批判してみるよ」というエントリでもフォローされています)。プロはプロ同士できちんと「相場観」を共有しているはずだからです。

でも、素人は違います。一般に、素人は適切な相場観を持ちません。

プロが善意で無償か、それに近い仕事をすること自体は問題ないことだと思います。でもそれによって素人の相場観を狂わせてしまうようなことがあったら、それは「罪」ではないでしょうか。

でもまあ、普段はさほど気にすることでもないのかも知れません。でも、特にニコニコ周りにはそういう相場観について無自覚な「素人さん」が多いような気がするんですね(全くの偏見ですが)。となると話がちょっと違ってくるかな、と。

どんな形にするかはともかく、何かしらのフォローがないと悪影響が残ってしまうように思います。

「ご冥福をお祈りします」について

ところで「ご冥福をお祈りします」は失礼だという言説がありますが、

この記事のコメント欄で指摘されているとおり、ちょっとこじつけが過ぎるように思います(元ネタの文章を書かれている河久保同行氏がどういう方か存じ上げないので、その点については何とも言えませんが)。

少なくとも辞書的には「死後の幸福」という意味ですし、背景としても、

冥福を祈るとは、冥土での幸福を祈るという意味ではないです。
冥土とは死者が亡くなってから49日間さまよう場所で、生前の行いを裁かれ、次の世界を決める場所であるというのが「仏教」の教えです。
そこでの幸福を祈るというのは、失礼というよりも、意味が解りませんよね。
冥福を祈るとは、冥土での旅を無事に終え、良い世界に行けるようにと親族が祈ることです。
つまり、記事の浄土真宗で言う「哀悼の意を表す」と同じ意味なのです。

という解釈の方が自然に思われます。

もちろん、浄土真宗では云々という主張は拝聴に値しますが、それを言い出したらキリスト教では云々、神道では云々という話になってきりがないように思います。それよりも字面のみでの解釈を持ち出して間違いと主張することのほうが問題のように思われます。

蛇足ですが、一応。

こりゃ他人事じゃないなあ

秋葉原で殺傷事件があったそうで。

ひだまりスケッチの原作者でありマルチタレントの蒼樹うめ先生も現地にいらしたらしく。

私も今日、ひだまりの風船欲しくて1時頃秋葉原に来て、
騒然としていて、びっくりして、
本当に他人事では無くって…

昨日、今日とひだまりスケッチの風船配るイベントやってたんですよ。うめ先生も風船をもらいに行ったら騒然としていてびっくりということだったようです。

で、実は私は昨日もらいに行ってまして。

4日に行われた配布イベントでは、開始時刻には中央通りまで待機列が延びていたということだったので、30分前には駅前に着くようにしたかったわけですが、家を出るのが予定より遅くなりそうでちょっと迷ったんですよね。「明日にしようかな」、と。

配布開始が12時だったことと昨日は風船もらったあとは中央通りをうろうろしていたこととを考えあわせると、もし今日行くことにしてたら現場にいた確率が極めて高かったなー、と。

ちなみに昨日は、風船もらった後に駅の改札前を通ったらギター担いだお兄さんに「その風船どこで配ってました?」と話しかけられて(告知では駅前と書いてあるのですが、どっちかというとゲーマーズ前で、まともに「駅前」だと思っていくと分かりにくいのです)、そのとき自分はゲーマーズアニメイトとを素で勘違いしてて「アニメイト前ですよ」と自信たっぷりに教えてあげて「いいことしたなー」と悦に入ってましたとさ、なんて呑気な話になるところだったのですが、まさか「家を出るときちょっと選択を違えてたら危なかったかも」なんて話になってしまうとは(なお、嘘を教えてしまったお兄さんですが、気になって見に行ったらちゃんと行列に並んでいました)。

いずれにしろ全く他人事じゃありません。怪我を負われた方々のご快復と亡くなられた方々のご冥福をお祈りします。

費用負担割合5/6で「オリコン勝訴」って、そりゃないよ。

「オリコンチャート」記事めぐる訴訟、オリコン勝訴 ジャーナリストに賠償命令 - ITmedia News

5000万円の訴訟で取れたのが100万円じゃあ、実質的に負けじゃないかと。弁護士報酬の相場を見る限り、着手金だけでも5000万円の3%+69万円で219万円ですからねえ。

しかも、民事訴訟って基本的に敗訴した側が訴訟費用(裁判所に納める分で弁護士報酬とは別)を支払うことになってるんですよね。
で、音楽配信メモでアップロードされていた判決文を読むと、オリコン側の費用負担割合が5/6となっています。

ポイントは、烏賀陽氏が訴え返した反訴もオリコン側が5/6負担となってる点です。私は目を疑いました。普通負けたほうが全額負担ですよ。反訴において烏賀陽氏の主張は全部退けられてるわけで、こういう場合は烏賀陽氏が全額負担が普通なんじゃないですかねえ。本訴(オリコン原告、烏賀陽氏被告)ならともかく、反訴もこの割合ってのが大変興味深い。

一見、烏賀陽氏が全面的に負けたように見える判決ですが、負担割合を見る限り勝ったんだか負けたんだかよく分からない判決です(まあこれは、「100万しか取れない訴訟で5000万円とかふっかけねえだろ、常考オリコン自重www」という裁判所からのメッセージかも知れませんが)。

いずれにせよ「オリコン勝訴」はミスリードじゃないですかねえ。少なくともこの判決文を書いた裁判官はオリコンを勝たせたつもりはないのではないかなー、と。

何度も書きますけど、勝った方が5/6負担って、ありえないですから。

でもまあ、オリコンとしてはマスコミに「オリコン勝訴」と書いてもらった時点で「実質勝ち」ですねー。大変腹立たしい。

ていうかオリコン側は、

ただ、我々の真意はお金ではありません。個人攻撃でもありません。上記のとおり、烏賀陽氏に「明らかな事実誤認に基づく誹謗中傷」があったことを認めてもらい、その部分についてのみ謝罪をして頂きたいだけです。

――なーんて言っときながら、認められたのは賠償金だけで肝腎の謝罪文の掲載については棄却された判決について、

公正なる司法の場で、このような判断が示されたことを、きわめて妥当なことと考えております。

――とか言ってる時点で噴飯ものなわけですよ。オリコンこそ控訴しなきゃ嘘じゃないですかね。

『薔薇の花かんむり』を読むのに約2週間かかってやっと追いつきました。

マリア様がみてる 30 キラキラまわる (コバルト文庫)

マリア様がみてる 30 キラキラまわる (コバルト文庫)

マリみての話です。本日『キラキラまわる』を読了しました。

何で今更かというと、「季節合わせ読み」なんてのをやってるからですね。結構長かったです。去年のバレンタインデーに『クリスクロス』を読んだのを最後に一年間(自主的にですが)お預けだったわけです。

『クリスクロス』のあとすぐ(というか作中時間ではまだバレンタインデー当日)が『あなたを探しに』で、「答え合わせ」は文字の並べ替えだけは当たってたという中途半端な結果でしたが(答えを聞いて「なるほど」と思わせるあたり適度な難度でした)、ついにいよいよ瞳子がアレであれか――と思いきや、まさか結局、祐巳はそれから一週間以上も待たされることになってしまった。と来るとは。

その次のページには何だかんだ言ったって、一週間やそこらは簡単に過ぎていくものである。なんて書いてありますが、実際待ってみると意外と長かったです。ちなみにバレンタインデーが木曜日で、デート当日の翌々週の日曜日は(今年は)2/24だったのでそれまで律儀に待ちましたとも。

もっとも、時系列順に読むとするとこのインターバルに『フレームオブマインド』が挟まります。これが珠玉の短編集というか、大変すばらしかった。

特に「不器用姫」は白眉ですね。とにかく感情を揺さぶられる。本編での黄金パターンであるところの「相手が何を考えているか分からない状態における不安とそれが解消されたときのカタルシス」を全く逆方向に振るとこうなる――という、その両極端っぷりがすごいです。それを「リリアン女学園」という本編と同じ入れ物に入れてしまうんだから大したものだよなあ。

ところで、あとがきによるとキーワードは写真ということでしたけど、「三つ葉のクローバー」だけはそのキーワードが見つかりませんでした。あえて言うなら「とっちゃえば?」という台詞くらいなもので。これも「写真を」というわけではないですから強引にもほどがあります(もっとも、「光のつぼみ」にもないっちゃあないんですが、可南子が主人公ですから写真に縁がないわけでもありません。それに可南子が最初に見たのが窓の「フレーム」の中の祐巳だった、というあたりもポイントのように思われます)。

閑話休題。そんなわけでデート当日を迎えて、一日を過ごすと翌日月曜日から『薔薇の花かんむり』です。

乃梨子が泣くシーンは挿絵も相まって実に良かったですね。

しかしここからがまた長い。祥子さまに体育館裏に呼び出されるのが木曜日で、そこで「あなた、再来週の日曜日は暇?」と来ますからね。この巻はその前日までの話ですから、物語の進みに合わせて読むと2週間弱かかるわけです。

そして今日が「再来週の日曜日」であり、リベンジの日であり、『キラキラまわる』なわけです。

それにしても『薔薇の花かんむり』のあとがきで「お預け」だったのは三奈子さまが言うところの「祥子さんの奇行」のことだったとは意外というか、個人的には結構バレバレだったように思われるので、そっちよりも私はむしろ「何故乃梨子瞳子は準備をしてあったのか」の方に興味が行ってました。そっちの謎はまだ明かされずじまい(まあ、サンタさんに会ったあのときにアレだったんでしょうけど)。

しかし今回は「これが最終巻」みたいな気持ちで読んでしまいました。ほぼオールスターというか、祐巳が言うところのロイヤルストレートフラッシュというか、とにかくそういう感じだったからでしょうか(まあ、結構大事な人が出てきてませんでしたが)。

でもまあ、一番大きな理由は次の『マーガレットにリボン』がどうやらホワイトデーの話らしいのに、出るのが4月だからかも知れません。「季節合わせ読み」してたらまた一年お預けです。

約2週間くらいは誤差と割り切って読んでしまうかどうしようか、悩みどころです。

初音ミクは少なくとも10月9日の時点でGoogle八分されてたような

これ、結構前からだったと思います。

というのも、前にふと思い立って初音ミクの画像を収集しようと思ったときにGoogleでイメージ検索したらあまりの不毛さに絶望した記憶があったので。

そのとき何とか見つけた画像が保存してありまして、見てみたら更新日時が 2007/10/09 0:43 でした(これはこのファイルが作者により作成された、あるいはサーバにアップロードされた時刻ではなく、明らかに私が保存した時刻です。念のため)。

ちなみに保存してあった画像はGoogleのイメージ検索結果で辿った先にあったピアノを弾いている初音ミクです。

丸がしてある結果を辿ると出てきます。

なお上記のものは今の検索結果ですが、大体そのときと変わってないようです。

したがいまして、少なくともアッコにおまかせの「放映後」にネット界隈が大騒ぎになったこととGoogleで検索できなくなった件との関係はないと思います(もちろん、放映前から何かが仕組まれてた可能性はあるわけですが)。

惜しまれるのはウェブ魚拓とか取ってなかったことなんですよねー。いつからこういう状況だったのか、証拠がないのです。まあ、ご参考まで、ということで。